すべての群れの客である

大地から5センチくらい浮きながら文章を書くよ!

2020年夏休みの思い出

中学は部活で高校も一年目は部活で、あとの二年はバイトで、それからの日々もバイトやら鬱やらで私は夏休みにちゃんとした休みがあった記憶が小学生以来ない。

でも夏になると最高になる。夏は生き物がたくさんいて人間ひとりの愚かさなんて関係ないじゃん!馬鹿じゃん!ってなるのでとてもよい。昨日今日の連休はよい夏休みをすごしたので写真日記にしておこうと思った。

わたしは絵日記やら読書感想文やら、あとなんだ、作文やら、なんでもいいけど自分の思ったことを述べよ的な宿題が口から毛が生えそうなくらい嫌いなので、夏休みの宿題は嫌いでしたけれども、今はこうして頼まれてもいないのに自分の気持ちを開陳していて、人間って不思議だね。

わが地域には読書感想文と読書感想画があったけれど、今働いているバイト先で読書感想画の話したら、なんそれ、みたいな雰囲気になったから独特な文化なのだろうか。

中一の夏はポケビの「power」を永久にリピートしながら『みどりのゆび』の馬がじっとしているところを絵に描きながら、文も嫌だけど絵を描くのも別に得意ではないっていうか、この馬は骨がぐにゃぐにゃだな、と思いながら絵の具の匂い立ち込める、母の部屋で泣きそうになりながら絵を描いていたのであった。私は25歳になるまで自分だけの部屋をもてなかったのだ。

『みどりのゆび』に白い馬なんて出てきたっけ?どんな話だったかぜんぜん思い出せないけれど。ともかく姉に怒られるまで同じ曲をかけ続け(私のコンポは一枚しかCDが入らなかった)ている感じと、すごくすごく暑い部屋の中と絵の具といつ誰が入ってくるか分からない緊張と、宿題、終わんないな、という気持ちと、それが私の夏休みであった。

全然、今と変わってないな。
今も90年代後半から00年代のヒット曲を飽きずに繰り返して、外出て遊んで、そんでずっと原稿が終わらない。なんで終わらないんだろうってあのころも今も言っているけど、やってないから終わらないんだと思うよ。

みなさんは夏休みの宿題との関係はどうだったんでしょうね。

私は今年こそ7月までに全部の宿題を終わらせるんだ!つって最初はめちゃはりきって図書館に通うけど、結局8月31日まで終わらないタイプの人間だったよ。今もそうだ。人間は変わらないんだ。

というわけで、ここ2日の夏休みを書こうと思う。


 畑にいって収穫をしたよ

母が畑を借りていて、いつも手伝いに行きたいなと思いながら毎日原稿が少しも終わらず唸るのに忙しくて全然行っていなかった。

ニヶ月半くらい前?にトマトのハウスを組み立てるのを手伝って以来行ってなくて、前日に明日は手伝いにいくぜ!ということにより逃げ道を塞いで二度寝してぜんぜん手伝いはできなかった。

違うんだ。クーラーが半死していて全然寝られなかったんだ私の部屋は夜になっても30度を超えているんだ。木造ニ階建て西日直撃部屋だからだから私は5時に起き上がって居間で8時まで寝た。

起きて、さっき起きればよかったのに、でも睡眠不足でこの高温の中にでたら死ぬかもしれない、とひととおり思いをめぐらしてからもぞもぞパンなど食べてメダカが餌を食べるのを見張って、ヨーグルトを食べて朝顔に水をやっていたらほとんど9時だった。

いつか私がゴミに捨てたはずの長袖とエヴァのスウェットを着てチャリを漕いでいたら、夏の日差しが肌を焼いて大変にテンションがあがり、ハワイにいる人みたいな気持ちになった。

夏だぜ。

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夏だな、と思って急いで写真を取ったけれど、前方から激しい速さで近づいてくる軽トラにおびえてなんかちょっと空に夏感がなくなってしまったけれども、空ちゃんと青かったよ。

田んぼ!田んぼ!田んぼ!

田んぼの匂いはなんていいんだろう。土臭い!土と水臭い!稲の匂い!ゲンゴロウとかおばけえびとか(うちの地域ではそう呼ぶけどホウネンエビが正式名称らしい)ヒルとか!いろいろ混ざった匂い。耳の遠いおじいさんが何事か作業をしていた。私は認識してもらったことがない。

畑にいくと「もう終わったよー」と言われた。仕事は終わったらしい。なるほど。もう気温がだいぶ高いから帰るべき時間だなと思った。私はいつも寝てしまう。

しかしせっかく来たのだから、トマトを収穫させてやろうとカゴを渡された。なにかじたばたと音がするので上を見ると、蜘蛛の巣に蝉が捕まっていた。アブラゼミじゃない蝉だった。

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ほとんど永久と思われるあいだ、じたばたと痙攣しておった。鳴き声はなかった。蜘蛛は蝉も食べられるんですか? 蝉ってちゃんと体液あるのかな?あんまなさそう。唐揚げみたいだし。

それにしても夏だ。

ちょっとしたハウスの中に入ると気温が50度はあった。わかんないけど、あと蚊が5千匹くらいいて、なんかもうずっと見えない獣と戦ってる人みたいな感じになった。何もない空中に向けて、くるな、やめろ!ってやるやつ。別に楽しくない。

私は街の子なので虫とか普通にこまるから、ずっと、体を揺らしていた。牛はとてもすごいなと思った。しっぽがあればもうすこしはかどったかもしれない。虫には八十八ヶ所刺されたってツイッターに行ったけれど、まぁ、実際には11箇所くらいです。ほぼ八十八ヶ所でしょ?キンカンぬった。

外にでて畑を巡回した。

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遠景が全然ないのはどういうことなのだろうか。これはたぶん、なんですか、さつまいもですか?たぶん。なんかねー、さといもの葉がめっちゃでかくて!コロボックルが巨大化しても全然耐えられるね、と思った。コロボックルが何センチなのかしらんけど、145センチの人間ならすっぽり頭がおさまるね。

右みても左みても葉っぱの上にカエルがいて大変にテンションがあがりました。ぎゃわずー!

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これは正面の溝の向こうの地主みたいな果てしなくでかい庭の端にあったなんか実なんだけど「なんぞ!?」ってなってたら椿かなにかの実ではなかろうかと教えてくれた。

椿に実とかあんの? と思いましたよね。椿に実とかあんの?

何度でも思う。

椿には実があるらしいよ。食べたことないから食べられないんだろうなと思っていたら椿油を作るのだと教えてくれた。ああ、あのお姉ちゃんの部屋にあった香水かと思いきや違うなんか瓶のやつか、と思った。

椿に実なんてあるんすね! 何度でも思う。

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これはオクラの花のようです。全然写真がうまくとれなかった。なんでこれを撮ったのか思い出したんですけど、オクラが収穫を2日忘れたきゅうりくらいでかくて、収穫が2日遅れたきゅうりがどれくらいでかいかというと、まぁつまりズッキーニくらいでかいので、めちゃくちゃこわかったんだけど、目を話したらもう切られていたから花を撮ったのでした。

オクラ、おばけみたいでこわかった。

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トマトを収穫したご褒美にとうもろころしを収穫させてもらった。

昔は私の家の周りはみんな畑でしたので、なんかどこででもとうもろころし見られたし、よく取らしてくれてたけど、最近みてなかったのでめっちゃたのしかったー!

あの音がいいですよね。ぼくん!って折れるかんじがよいですよね。

ヤングコーンというものがとうもろこしの小ちゃいやつだと初めてしった。そういう種類の野菜だと思っていたっていうかヤングコーンという存在は私の頭の中になかった。中華丼だと認識していた。

ヤングコーンはとうもろこしになりはじめる前に取らないといけないらしく、収穫の時期がちょっと遅れるとなんか、ぶつぶつしていて気持ちが悪い。みのむしの外側ひらいちゃった時みたいな「うわ、、」っていう気持ちになる。全然関係ないですけど私は高校のときに蛆から蝿を育てました。高校生は全員やるものだと思っていたけど違うらしいし、なんで今言ったって感じだけど思い出したから。

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なんでもない用水路。とくに生き物は認められなかった。

帰り際にめちゃくちゃ耳の遠いおじさんに挨拶したけど、ぜんぜん気づいてもらえなかった。みんな働き者だよね。果たして我々世代が老人になったときこのように働いているだろうか、いや、働いていないだろう。

そんなことを思って、家に返って風呂に入って居間で横になったらまた寝ていた。

ハスキーを飼う夢をみたのに起きたらハスキーはいなかった。目覚めなければよかったのだ。いつもそうだ。犬はいつも気がつくといない。

台所にいくと整然と野菜が並べられていたので撮った。

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なんか出来るような気がしたので、トマトとバジルと他なにかの冷製パスタを作ったらめっちゃまずくてびっくりした。全部たべた。ツナがなければ食べきれなかっただろう。悪い満腹に襲われ居間で横になったらまた寝ていた。夢はみなかった。犬もいない。

午後の記憶がまったくない。

ああ!!うそだ!!すっげー大事なことがあったんだった!

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ナウシカ見に行ったんだった!

というのも二階のわたしの部屋が35度近く、絶対にこんな部屋で作業をしたら死ぬ。かといって一階で作業をするわけにはいかない、部屋の中をうろうろするだけの時間がただ過ぎていったので、有意義な時間の過ごし方をしてみようと思ったのだ。

思い立って7分後くらいには映画館にいた。

券売機でチケットを選ぼうと思ったら全部あいていた。つまり現時点で客は私しかいない。一人なら声援送ってもいいんじゃないか?と思ったけれど、絶対にやらないだろう。自意識が邪魔。

小学校のころ漫画をよく読ませてくれて、スーファミ持ってたからカビーもやらせてくれたし、一階のおばさんの部屋にカラオケセットあって、ドリカムの「スマイル」を三回も連続で歌わせてくれて、私の指を噛んだハムスターを飼っていた幼馴染的な友達がもぎりをやっていた。

私しかいないかも!っていったらさっき一人入ってったよ!って言われてほっとしたのか、さみしかったのか、ちぇっ!って思ったのかよくわからんまま、デジタル検温器が検温してくれなくて、もたもたしてから中に入った。

カービーめちゃくちゃおもしろかったよな。ゲームをやらせてくれる友達って本当にありがたい存在だよな。友達を利用するのか?という戦いをすることで私たちは大きくなりました。利用っていうかだって、ゲームたのしかったんだもん。マリオのマウスで蝿たたくやつとか。

私はのぶ代過激派なので今のドラえもんは見られないんだけれど、映画を見る注意みたいなことしてくれるドラちゃんが可愛かったし、映画の予告ですげー泣いてしまった。せめてもうちょっと聞ける声だったら見るのにな、悔しいな、と思いながら恋愛の予告が流れたのでおえ、ってなった。準備してないときに男女の恋愛の様子見させられると、びっくりしてしまう。

ナウシカみた。

はじめて映画館でみた。見られてよかった。ほんとうによかった。私はナウシカが好きだから。大人になってしっかりみたのも久しぶりだったから、すごい、ほんとうに、すきだな、って、思ったんです。

うちの近くに個人の家でやっている児童文庫があって、10畳くらいの書斎みたいな場所に児童書と絵本がひしめき合っていたんだけど、高学年の人たちがナウシカの漫画を読んでいて、なんだかそのときはすごく怖かったのでした。紙がべろべろしていたし、高学年の人たちが読んでたし、なによりストーブが暑かった。

大人になって病院の待合室で一回読んだんだけど、めんたま飛び出るくらい面白かったので、あれは家になくてはならないものだと思いました。買わねばね。

クロトワが好きです。そりゃ好きだろう。

私の好きな男はムスカとかケフカとかねずみ男とかなんですけど、クロトワはそのラインではない気がした。どのラインかというのは検討の必要があるね。ともかく好きだな。短い夢でしたね。

今回は戦争とういうものをすごく感じました。ずっと戦争の話だったのに、ある日読み返したり見返したりしたときに急に「戦争の話だ」と思うことがよくあり、実際、それなしで出来上がっている作品ってこの世代のあたりだとほぼないのじゃないかと思ったり。世代といっても、いろいろあるだろうけど。

あの戦争、にたいして語れる言葉を私は持っていない。あるいは、私たちは。だから語らないし、語れないし、表明しない。ただ暑い臙脂のカーテンのことを思い出すだけだ。真夏の、やけに広い段のついた教室で、白黒の爆発や砲弾や死体をたくさん見て聞いた。

あの頃から、ずっと同じ気持ちでいる。私は、あれを見させられる度に具合が悪くなって保健室にいる自分が、とても悪いことをしている人間のように感じられて、忘れることばかり考えていた。

保健室の天井のモルタルのうねうねが、私にとっての戦争の記憶だ。あるいは貧弱な蛍光灯がカーテン越しの太陽光に負けているのとか。寝心地のわるいベッド。

大人になってから、映像は無理でも本は読めるようになったけれど、やっぱり私はまだ保健室にいる。よくないな、と思いながら、でも、生活は続くので、というようなことを思う。それは多分、あのころの人たちも一緒だったろう、などなど。

ナウシカの話をしていたつもりだったのに、いつの間にか変わっていた。びっくりした。

昔は見過ごしていた、ナウシカの身代わりになった女の子と、死んでしまった王女の母とのシーンでぼろぼろ泣いてしまった。私たちのしたことはすべて間違いです。

私たちは間違いのあとに生まれて、生きている。


二日目を書く気力がない

もう眠いのでダイジェストでお送りする。今日は朝早くに目が覚めて、ゴールデンカムイの最新話を呼んで、目を閉じて悪夢を見て体がブリキになっていることを確認して起き上がった。

パンを食べ、ヨーグルトになんか体にいいと聞いたデーツの乾燥させたやつを刻んで入れて、はちみつをかけて食べた。おいしくはない。メダカに餌をやって観察していたけどぜんぜん出てこないので朝顔に水をやっている間にぜんぶ食われていた。朝から夏だった。

今日は絶対に作業をするのだ、と意気込んでから一時間、居間でごろごろしていた。二階に上がって、気温が30度近いことを確認。作業を始める。あまり進まない。外に出て、またメダカを観察した。なんとなく土に刺さっているスコップをどけたらその下に30匹くらいの大小さまざまなダンゴムシがいて「王蟲!」と思った。めちゃくちゃいる。涼しいから?

家に入ってテラリウムを確認する。そういえば私はいかしたテラリウムを作ったのだ。


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ほんとうによい森だ。

虎は百均で出会って買った。見ていたらアンリ・ルソーのことが急に気になり始めて、昼ごはんのそうめんを食べて、また一時間ごろごろしてから、図書館へ向かった。

その間にカクヨムの大会の結果発表があって、知っている人の名前がちらほらあってやったぜ!と思った。みんなが圧倒的に幸せになったら相対的に私も幸せになれるから、私の知り合いはみんな漏れなく地位とか権力とかお金とかものすごく手にいれてほしい。私のために、どうか、人類幸せになって。

ハッピーなので元気に母校?母保育園の六地蔵に挨拶しながらチャリを飛ばした。図書館について中が暑かったので、胃の様子がおかしくなって、これ熱中症だな?と思ったのでポカリをがぼがぼ飲んで、じっとしていた。

私はアンリ・ルソーマリー・ローランサンが好きなんだなと思った。

でも、私は本当に絵画に対する感覚が欠乏している。美に対する態度がない。ないっていうのも妙だけれど。本当にないなぁ。

ずっと借りたかった小林秀雄のCDの続きと佐藤春夫の公演のCDを借りた。あとはエゴン・シーレと久保克彦の本を借りた。久保克彦のは水声社の本も読みたかったんだけどそっちはなかった。

児童書のほうの絵画の絵本のほうがわかりやすいし楽しいからそっちを借りたかったけど、そっちは持ち出し現金だった。小さい人間が座るようの椅子に座って読もうと思ったけど、テーブルにでかでかと「大きい人間は座ってはいけません」的なことが書いてあったので立って読んでたらまた胃から獣の鳴き声がしはじめたので諦めた。

たくさん本を持って、死ぬかもしれないと思ってモスに入ったら寒くて死んだ。パソコンを持ってきたのでそこで作業した。二つ向こうのテーブルで韓国語を教える会をやっていて、なるほど、銀行はそういう発音なのか、というようなことを思ったけど今はひと単語も思い出せない。作業は割と進んだ。

意味なくとなりの電気屋に入り、パソコンをじっとながめた。

帰りに本屋に寄って違国日記を買って、夜に中華丼(ヤングコーン!)と食べて、だらだらしながら日記を書いていたらもうこんな時間である。

え?6000字?うそだろ。そりゃ疲れるはずだわ。

もう眠る時間なので急に終わります。みんなに幸福とよい夏休みが訪れますように。私のために。よろしくな。誤字はみていない。