すべての群れの客である

大地から5センチくらい浮きながら文章を書くよ!

大好きな映画の香水を選んでもらったから思い出を語るね

ある日、いつだったか当然のごとく忘れましたが。

私の大事な宝物であるところのツイッターランドのフォロワーが、好きな映画をいうと香水を送ってくれるよ的サービスのことについて話していて、なんだそれは最高であるな、と思い早速わたしも頼んでみたのでありました。

https://www.celes-perfume.com/product/eiga_kousui/

これだね!

好きな映画をいうとそれに似合った香水を選んでくれるというサービスだ。なぜもう一回言ったんだ。
もしかしたらすごくバズっていてみんな知っているのかもしれないけれども、私はぜんぜん知らなかった。

私と香水のメモリーを聞きますか? べつにいいですか? べつにいいか。

というかそんなにメモリーはない。生まれて始めてぐらいに買った東京事変のライブグッズの香水をあまり使わずに大事に大事に取っておいたらいつの間にか母ちゃんに半分以上使われていておったまげたくらい。びっっっっくりした。

あと東京事変の『大人』の歌詞カード? かなんかについてるこするといい匂いがするやつの匂いの香水を探しているだけれど、香水にまっったく詳しくないのでわからない。ライブグッズの匂いはちょっと違う気がするので、分かる人がいたらご一報ください。

さて、というわけで香水には一切詳しくないので、映画を選んで届いた香水についてうんぬんかんぬんする能力は私にはない。

なので選んだ映画のメモリーと香水の雰囲気を語る。

私と映画のメモリー

へー! noteって中央寄せができるんだー。しらなかったね。太字にも中央寄せにも耐えられる字面ではないけれども、逆にいいね。

なにもかも逆にしたらよくなるように世の中はできているからね。

わたくし思うのですが、世の中の人、めっちゃ映画見てるじゃないですか。映画みない人以外、めちゃくちゃ映画見てるじゃないですか。

で、私は映画をそんなに見てこなかったしこれからもそんなに見ないだろうとは思うのですが、別に見たくないという話ではなくむしろ見たいのだけれども、見ると頭痛くなるし、腰痛くなるし、情報過多で一日が潰れてしまうし、そもそも一つところにじっとしていられないという映像を見るのに向いていない人体を所有しているのでなかなか難しい。

でも、映画とか知ってたいじゃないですか。

あー、あの映画ね。主演のあの子が、あれが、ああだから、こうだよね。デビュー作もよかったし、みたいなことを言いたい。あの構図がとか、シナリオが、とか言いたい。コーヒーモカマタリとかを飲んでな。

コーヒーモカマタリの話をします。この話は今回の話とまったく関係ないので関係ないよ、という表明のために囲いますが、囲っていることによりかえって重要な話のように見えていますが、まったくそんなことはない。あれは私が高校二年生の春だったかと記憶しております。私はその前の年の冬に精神衰弱になり朝昼晩夜中と前後不覚で生きていたのですが、ある日突然、兄が「洋服を買いにヤマトに行く」と言いはじめ、お前も行くかと聞いてくれたことが嬉しく、なんとか泥から這い上がり「いぐ、、、、」と母の車に乗り込んだのでありました。一体「ヤマト」とは何か。この話もまたこの本筋にも今のこの話にも関係がないので説明はいたしませんが、随分車を飛ばして「ヤマト」に着きました。「ヤマト」の洋服屋さんには天井にプロペラが回っていて私は驚きました。天井にプロペラが回っているのを初めて見たので驚いたのです。しかし私は中学三年の冬に家族でファミレスに行った時、ピザを切るくるくる回る刃物を生まれて始めて見てはしゃぎまわって「すごいね、すごいね!」と犬のように左右の家族に言いまくっていたら兄に「恥ずかしい、誰かもっと外食に連れて行った方がいい」と言われたのがショックだったので、天井を回るプロペラに対しても神経衰弱なりに大変に興奮したことを伝えたかったのですがわずかに「天井、、、」という声を出すだけでとどめました。そこは洋服屋さんであり、私も付いてきたからには何か一着や二着のコートを買いなさいと母に言われ、しかし私は体が大きすぎて学校の制服をオーダーメイドせざるを得ず、沢山のお金をかけてしまったことをずっと心苦しく思っており、常に全身をお下がりコーディネートで固めていましたので、洋服を自分で買ったことがありませんでした。何かを着たいというような発想もなく、かと言ってちくちくして痛い、とか生地が重くて苦しいこれでは息ができない、とかいう神経衰弱的な感覚は一人前以上に鋭かったので、コートを一着決めるのにものすごい長時間が掛かったといいます。私はもう気絶していましたので、時間の経過というのはよく分かりませんでした。あまりに時間がかかるので兄に「もうお前とは絶対に洋服を買いに行かない」と言われ大変に脳が傷つき、しかしもう気絶していましたので「あ、う」くらいしか思えなかったのですが、ともかく全員が疲れ果てており、近くにあった日本のブルックリンみたいな簡素かつお洒落な喫茶店に入りました。そこのメニュー表のコーヒーの欄に「モカマタリ」という字を見つけ、どうしようかと思ったのですが私はそれを兄に向かって指差しました。というのも、当時、いや当時よりもっとだいぶ前だったかもしれませんが、某大型掲示板界隈だったかなんだかでラーメンズのネタが流行っており、ちょっと前に日本語学校アメリカン(https://youtu.be/EM8Un5bv3J8)を一緒に見たばかりで、ちょっと楽しい気持ちになったからでした。兄はモカマタリという文字を見て喜んでいました。母があらあら、一体何がそんなに楽しいのかしら、という風に私たちを見るので、私はなんだか誇らしい気持ちになったのでした。私たちはその喫茶店を大変に気に入りました。頼んだアップルパイが美味しくて、落ち着いてしずかでお洒落だったからです。兄が私に「将来喫茶店を開くか」と言いました。私は当時、自分がお菓子を作るのが好きなのだと思いこんでいたため、よくお菓子を作っていたこともあり、私がお菓子づくりを、兄がコーヒーを担当することが決まりました。だから今から勉強しろ、という言葉がとても嬉しく、アップルパイもとても美味しく、本当に幸せな気持ちになったことを覚えています。でも兄はその後大学に落ちて二浪した末に全然コーヒーと関係のない専門学校に行ってしまいました。
~兄と私とモカマタリ~【完】

で、人間というのはやはり21歳のころに、映画に詳しい人間になりたい欲が一等高まるようにできていますので、私も21歳のみぎりには、映画に詳しい人間になりたい欲に忠実に従って、近所のTSUTAYAを徘徊していました。

それで名作と呼ばれている映画を一瞬も見ずに返すこと、3回くらいでしたでしょうかしら。はたと気づきました。

もっと興味のある映画を選べばいいんだ! ってね。ってね。ってことはないけれども。思ったのだ。思ったのだと思う。そういうわけで以下に、私がそのころ何に興味があったのかを羅列してみます。

・自殺
精神安定剤(およびOD)
・ブルボンのお菓子
・煙草
・白いワンピースの女の子
・お金

こんなもんかな。

ある種、21歳女性としてのスタンダートをひた走っている感じがあると思うんだけど、強いてコメントをするとすればブルボンのお菓子は、ずっと好きですね。折々にブームがある。うめえよな。ブルボンな。

あとこの頃にマカロンという食べ物に初めて遭遇し、合う人間みんなに「マカロンてなあ、うめえよ。あれは、うめえんだ」と話していたらみんな結構マカロンくれた。人間やさしいよね。

白いワンピースの女の子というのは概念なので必ずしも白いワンピースを着ているわけではないのですけれども。これもまた、ある種の人間は白いワンピースの女の子という概念を抱えて生きているものじゃなので、そこにはそれぞれの白いワンピースの女の子がいて、私はみんなの白いワンピースの女の子の話が聞きたいので一家言ある方はぜひお願いします。

ちなみに私の白いワンピースの女の子は腕がめちゃくちゃ細いです。あと小麦肌です。

さて、そんなこんなで、ご多分に漏れず南条あやを敬愛していた人間なので、ハルシオン遊びとかが流行った時代? よりはちょっとあとなのかな。よくわからんけれども、向精神薬に対する情熱は今でもしっかり持ち続けて元気に生きております。

で、それを念頭に興味のありそうな映画を探して『クワイエットルームへようこそ』とか(最高)『ピクニック』とか(最高だった気がするがだいたい忘れた)『カッコーの巣の上で』(本当に見たかな?覚えてない)などを次々クリアしていった私は、割と滑らかに具合が悪くなっていき、本来の映画に詳しい人になりたいという欲望はどこかへ消え、毎日壁に頭をぶつけていたのでした。おわり。

生きていてよかったね2020

そうして気がつくと私はだいぶ生きながらえていた。

(この記事は2020年に途中まで書いていたものなので2020になってますが今は2021年ですよ)(まじで??)

2020年まで生きていて果たしてよかったのか。よかったと言ってしまうと若いころの私に申し訳ない気がするので、あまり大声では言えないが(生きていればいいことがある、という言説が殺したいほど嫌いだった)まぁ、よかった。

2020年が終わればそこには絶望しかないわけだけれど、とりあえず現在は生きていて、生きているのでときどきあの頃のことを思い出す。

あの頃は、無差別に憂鬱で常に混乱していて、それに無鉄砲だった。酒と薬のおかげで覚えていないことも多く、おそらく多くの人間が人生のうちで一番若く、闊達で、金さえあれば何でもできていた時代を、労働と長い悪夢だけに費やしてきたことには後悔がないでもない。

ないわけではないが、あの頃、毎日感じていた震えは――根源が喜びであれ悲しみであれ寂しさであれ、または単なる寒さであれ――あの頃にしか体験できないもので、取り戻すことができないのでずっと覚えていたいとも思う。

が、生きていく間にどんどん忘れる。

匂いは記憶に一番残り安いというし、香水と共にあの頃のことを思い出せればいいのにと思うけれど、私は匂いに酔ってしまうので香水をあまりつけなかったため、あのころの匂いというものがない。というわけで、無理やり映画と香水と思い出を結びつけ、なんとか覚えていようと努力しようという企画にしようかと今はじめて思った。あとさっきのモカマタリのメモリーが結構文字数食ったので、もう映画とかよくない?という気持ちにもなっている。

というわけで私と映画(にまつわる)のメモリー

ひとつめ『式日

庵野さんが好きだから見たのかな? たぶんそうだと思うのだけれども。あまりにも当時のわたしの精神状態にマッチしていたため、いつも脳内で「今日は私の誕生日、今日は私の誕生日、だから大丈夫すごく大丈夫、私は大丈夫」というようなことをやっていました。今思えばあれば「明日は私の誕生日」だからいいのであって「今日は私の誕生日」だとかえって救いがないのであまり効果がなかった。

この映画すごく好きなんですよね。色彩がきれいだし、もう何もかも好きなので語ることがまったくないのですけれども。メモリーといたしましては、これを初めてみたのはビデオだったのですけれども、当時は家に一台しかテレビがありませんでしたので、居間でこれを見ておりました。母が後ろでチャーハンを作っていました。また変なものを見て、と言われるのが恐ろしかったので、すごく音を小さくしていましたので、だいたいチャーハンの音しかしませんでしが、大竹しのぶがでてきたあたりでちょっとこれはチャーハンの音と一緒に見たいビデオじゃないな、と思い、次の日に見直しましたよね。

すげー、浅いエピソードだった。びっくりした。

岩井俊二さんが出てるじゃないですか。でも私岩井俊二さんを認識したことがなかったので、見たことない俳優さんだな、これは棒読みではないのか?それともそういう生っぽさ?なにはともあれ、いいね! と思っていた。

あとこれでcoccoを知ったのかcoccoを知ったからこれを見たのか思い出せないけれど、どもかくcoccoとの相乗効果がすごく、ものすごくスタンダードにメンタルをヘラヘラさせていきましたよね。という思い出。

藤谷文子の顔がすごく、好き。

これで選んでもらった香水が、紅茶の匂いが混ざっていて、あとジンジャーとかサンダルウッドとかライスパウダー? 私はジンジャーしか分かりませんけれども、なんとも言えないわけわかんなさがあって、とてもいいです。甘すぎずくらくらふわふわする不思議な匂いです。すごい。

ふたつめ『17歳のカルテ

今でもそうだけれど、海外の人の顔を一切覚えられない。でもこれは髪の毛が短い黒髪の女の子と、髪の毛の長い金髪の女の子という対比だったのですぐ覚えられたし何より本当に女の子がかわいい。

当時は百合なんていう概念も名前も全く知らなかったので、知らないなりに女の子と女の子が仲良く、というかのちの私がとても好みそうな、相性の悪い女の子二人がくっついて離れるみたいな? 話だったような気がしてとてもすごい好きでした。なんで曖昧かというと、買ったDVDを借りパクされてしまったからなのでした。

私はこの映画を「黒髪の女の子が好きです!」と思って見始めたような気がするのですけれども、最後まで見て金髪の女の子にメロメロになって、その金髪の女の子だけが唯一知っている海外の女優さんの名前になりました。

だから私が顔を名前を一致させることが出来るのは、この頃のアンジェリーナ・ジョリーレオナルド・ディカプリオだけです。でもレオナルド・ディカプリオはその少しあとにブラッド・ピッドを覚えようとしてごっちゃになってしまったため、もう自信がありません。なのでアンジェリーナ・ジョリーだけは多分分かります。あと顔は知らないけどベネディクトカンバーバッチさんは友達が「卵と缶バッチみたいな名前の人いるじゃん?」って言ってて、調べた時に「本当だ!」と思った衝撃から覚えています。顔は知らないけれども。

えっと、何の話でしたかね?

そうだ。この映画さ、チューするんですよね、女の子たちが!
それがすごく衝撃的で、すごく衝撃だったのですけれども、これもビデオで見てましたので、一回早送りしましたよね、あれ、なんかこれ雰囲気ちょっと怪しくない!? つって飛ばして、あとでまた誰も居ない時間に見ましたよね。でも当時は「えっなんでちゅーしたの? どういうこと?」と全然機微が分かっておらず、わからないなりに、へー、ふーん、そうなんだー! みたいな気持ちになったことだけ覚えています。

選んでもらった香水が、これまたすごい複雑な匂いがする何かです。そもそも香水には単純な匂いというのが存在しなのかもしれないけれども私は香水に明るくないのでよくわからない。

若干の柑橘系ぽいのだけれども、ちょっとまったりしたどろ~っとした甘い匂いもして、爽やかっぽい匂いがサッってなってスッっていなくなって、あとにまろまろした匂いがくる的な何かカクテルっぽい感じがするような気がする。カクテルをそんなに飲んだことがないのでわからない。

この映画はビデオで見てすごく好きだったからたぶんDVD買って見て、それ以来見てないんだけれども、またみたいようなこのまま記憶のままでいてほしいような、そんな気持ちです。

そんなこんなで、なんか急にすごく眠くなってきたし、またすごく長くなってきたのでここらへんでやめますね。ちょっと途中で入れたモカマタリが長すぎましたねすみません。

それでは急に終わります。おやすみなさい!!!

#買ってよかったもの